今年の猛暑を乗り切る!東洋医学の知恵で心身を整える

今年の夏は、記録的な猛暑と長さに心身ともに疲れを感じている方も多いのではないでしょうか。東洋医学では、夏の暑さは「暑邪(しょじゃ)」として体に影響を与えると考えています。暑邪は、体内の熱をこもらせ、気(生命エネルギー)や津液(しんえき:体液)を消耗させることで、様々な不調を引き起こします。

今回は、東洋医学の観点から、今年の過酷な夏を健やかに乗り切るためのヒントをご紹介します。

1. 脾胃(ひい)を労わる食事を心がける

暑さで食欲が落ちたり、冷たいものを摂りすぎたりすると、消化吸収を司る「脾胃」の働きが弱まります。脾胃が弱ると、全身に栄養が行き渡りにくくなり、だるさや疲れを感じやすくなります。

  • 温かいものや消化の良いものを: 冷たい飲み物や食べ物は一時的に涼を感じますが、胃腸に負担をかけます。常温か温かいものを中心に、消化の良いおかゆやうどん、スープなどを取り入れましょう。
  • 夏の旬の食材を: きゅうり、なす、トマト、冬瓜など、夏野菜には体の熱を冷ます作用があります。また、ゴーヤやみょうがなど、苦味のある食材は利尿作用があり、体内の余分な熱や水分を排出するのを助けます。
  • 水分補給はこまめに: 喉が渇く前に、少量ずつこまめに水分を摂りましょう。ただし、冷たい水を一気に飲むのではなく、常温の水や麦茶、ハーブティーなどがおすすめです。

2. 「気」と「津液」を補給する生活習慣

暑さで汗をたくさんかくと、体内の気と津液が失われやすくなります。これらを補うことで、夏バテを防ぎ、体力を維持することができます。

  • 十分な睡眠を確保する: 睡眠不足は気の消耗を招き、体の回復力を低下させます。日中活動的だった分、夜は早めに就寝し、質の良い睡眠を心がけましょう。クーラーも上手に活用しつつ、冷えないように衣服やおふとんで工夫しましょう。
  • 無理のない運動を取り入れる: 激しい運動はかえって気を消耗させることがあります。早朝や夕方など、比較的涼しい時間帯に散歩や軽いストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすと、気の巡りを良くし、適度な発汗で体内の熱を排出できます。
  • シャワーだけでなく湯船に浸かる: 暑いからといってシャワーだけで済ませず、ぬるめの湯船にゆっくり浸かることで、全身の血行が促進され、リラックス効果も高まります。ただし、長時間の入浴は避けましょう。

今年の夏は例年以上に厳しく、体調を崩しやすい時期です。東洋医学の知恵を取り入れて、ご自身の体と心の声に耳を傾け、無理なく健やかにこの夏を乗り切りましょう。